日清デカうまvsマルちゃんごつ盛り|2つの長所から理想の大盛りカップ麺を考える

グルメ日誌

スーパーやドラッグストアのカップ麺売り場で、ひときわ存在感を放っている「大盛りカップ麺」。

今回比較するのは、次の2商品です。

  • 日清デカうま 濃厚コク旨醤油
  • マルちゃん ごつ盛り 豚骨醤油ラーメン

どちらも、手頃な価格で十分なボリュームを楽しめる商品です。

日清デカうまは、きれいな醤油スープの中に豚のコクを重ねた、バランス型。

一方のごつ盛りは、豚骨らしい香りを前面に出し、九州系ラーメンを思わせる個性型


  1. 大盛りカップ麺に求められる価値とは
  2. 基本情報比
  3. 日清デカうま 濃厚コク旨醤油を実食
    1. スープ|きれいな醤油味に、豚のコクが広がる
      1. 評価:10/10点
      2. スープの詳細評価
    2. 麺|細めの平打ち麺で、量以上の食べ応え
      1. 評価:7/10点
    3. 肉具材|存在感は控えめ
      1. 評価:3/10点
    4. 完成度・一体感|スープを中心にきれいにまとまった一杯
      1. 評価:9/10点
  4. マルちゃん ごつ盛り 豚骨醤油ラーメンを実食
    1. スープ|豚骨らしい香りが食欲を刺激する
      1. 評価:6/10点
    2. スープの詳細評価
    3. 麺|ごつ盛りらしい、少しもっちりとした細麺
      1. 評価:4/10点
    4. 肉具材|スープに対して存在感が弱い
      1. 評価:3/10点
    5. 完成度・一体感|香りを中心に方向性が統一されている
      1. 評価:9/10点
  5. カップ麺で醤油の風味を強めるには何を加えるのか
    1. 液体醤油だれを後入れにする
    2. 粉末醤油を配合する
    3. 焦がし醤油系の香味油を加える
    4. 複数の醤油を組み合わせる
  6. 2商品を比較|強みと弱みを整理
  7. 日清デカうまの優れていた点
  8. マルちゃんごつ盛りの優れていた点
  9. 両商品に不足していた価値
  10. 自分なら「香る濃厚豚骨醤油」を開発する
    1. 商品コンセプト
    2. 想定ターゲット
    3. 麺の設計
    4. スープの設計
    5. 香りの設計
    6. 具材の設計
    7. 味の変化を作る「黒こしょう小袋」
  11. 想定する商品情報
  12. この商品が選ばれる理由
  13. 総評|味の日清デカうま、香りのごつ盛り

大盛りカップ麺に求められる価値とは

大盛りカップ麺に求められるものは、単純な麺量だけではありません。

消費者が期待しているのは、主に満足感ではないでしょうか

しかし、大盛り商品の満足感は、麺量だけで決まるわけではありません。

スープのうま味、油脂のコク、香り、塩味、具材の存在感。これらが組み合わさることで、一杯としての満足感が生まれます。

今回の2商品は、その満足感を異なる方法で設計していました。

基本情報比

項目日清デカうま 濃厚コク旨醤油マルちゃん ごつ盛り 豚骨醤油
内容量116g122g
麺量90g90g
エネルギー488kcal553kcal
脂質21.2g30.5g
食塩相当量7.5g6.7g
価格設定希望小売価格174円・税別オープン価格
味の中心醤油・豚のうま味・焼豚だれ豚骨・醤油・香辛料・香味油

日清デカうま 濃厚コク旨醤油を実食

スープ|きれいな醤油味に、豚のコクが広がる

評価:10/10点

日清デカうまの最大の魅力は、スープです。

口に含んだ瞬間に整った和風の味わい。

そこへ豚のうま味とコクが加わり、スープに厚みを与えています。

特に印象的だったのは、麺をすすったとき。

麺と一緒にスープが口へ入り、飲み込む直前になると、口の奥でじわりとうま味が広がる。

例えるなら、単なるラーメンスープというよりも、豚のコクを加えた濃厚なそばつゆ。

醤油、うま味、塩味がきれいにまとまっており、大盛り商品でありながら、勢いだけで食べさせる味ではありません。

濃い味なのに雑味が少なく、最後まで食べ進めやすい。今回の比較では、スープ単体の完成度が一段上に感じられました。

スープの詳細評価

評価項目点数感想
香り・すすったときの風味4/5強烈ではないが、食べ進める中でコクが広がる
塩味のバランス5/5濃さがありながら、塩辛さに偏っていない
うま味5/5口の奥に残る豚のコクが印象的
満足感4/5大盛りらしい満足感と食べやすさを両立

麺|細めの平打ち麺で、量以上の食べ応え

評価:7/10点

麺は細めですが、やや平たい形状です。

この細さながらもコシがある。さらに、平打ちにすることで表面積が広がり、スープをしっかり持ち上げます。麺として、一定の存在感があり、大盛り商品として十分な食べ応えを感じました。

スープの完成度が高いため、麺そのものの個性よりも「スープを運ぶ役割」が重視されているように感じます。


肉具材|存在感は控えめ

評価:3/10点

肉具材については、スープや麺と比べて存在感が弱めです。

大盛りカップ麺では、限られた価格の中で麺量とスープの満足度を優先する必要があります。そのため、具材が控えめになるのは理解できます。


完成度・一体感|スープを中心にきれいにまとまった一杯

評価:9/10点

麺はそのスープを持ち上げ、具材は味の邪魔をしない範囲に抑えられています。

豚のうま味を強く感じさせながら、豚骨ラーメンのような臭みや重さは前面に出ていません。

幅広い消費者が食べやすいように、濃厚感ときれいな後味を両立させた設計だと考えられます。


マルちゃん ごつ盛り 豚骨醤油ラーメンを実食

スープ|豚骨らしい香りが食欲を刺激する

評価:6/10点

フタを開けた瞬間から、豚骨ラーメンらしい独特の香りが立ち上がります。

カップ麺でありながら、九州系の豚骨ラーメン店を連想させる香りを作っている

これまでカップ麺を評価するとき、スープの味や麺の食感を中心に考えていました。しかし、今回の比較を通して、香りも味と並ぶ重要な商品構成要素だと気づかされました。

一方、味については香りほどの強いインパクトはありません。

塩味は比較的穏やかですが、うま味の厚みがやや弱く、スープだけを飲んだときには少し平面的に感じます。

香りから期待するほど、口の中で豚骨のコクが広がってこない。この香りと味の差が、スープ評価を下げた要因です。

スープの詳細評価

評価項目点数感想
香り4/5豚骨らしい香りが強く、商品の個性になっている
塩味3/5強すぎず食べやすいが、輪郭はやや弱い
うま味2/5香りに比べると、味の厚みが物足りない
満足感3/5ボリュームはあるが、スープの余韻は控えめ

麺|ごつ盛りらしい、少しもっちりとした細麺

評価:4/10点

少しもっちりとした食感があり、細麺ながら十分な食べ応えがあります。

本格的な九州豚骨ラーメンの再現というよりも、幅広い消費者が食べやすいように調整された大盛りカップ麺らしい麺です。

スープの香りは九州系ですが、麺は大盛り商品の満腹感を優先している。この組み合わせが、ごつ盛りらしい商品設計だと感じます。


肉具材|スープに対して存在感が弱い

評価:3/10点

肉具材の存在感は、日清デカうまと同様に控えめです。


完成度・一体感|香りを中心に方向性が統一されている

評価:9/10点

豚骨らしい香り、細めの麺、大盛りらしいボリュームによって、「手頃な価格で豚骨ラーメンをたっぷり食べたい」という需要に応えています。

特に評価したいのは、フタを開けた瞬間から豚骨ラーメンの気分に切り替えさせる香りの設計です。

味覚だけではなく、嗅覚から商品の世界観を作っている点に、ごつ盛りの強さがあります。


カップ麺で醤油の風味を強めるには何を加えるのか

今回の比較で浮かんだ疑問が、「カップ麺で醤油の風味を強くするには、何を加えればよいのか」という点です。

一般的には、次のような方法が考えられます。

液体醤油だれを後入れにする

醤油の香りは、加熱や保存によって変化しやすい要素です。

粉末スープだけで醤油感を作るよりも、液体の醤油だれを後入れにすることで、醤油らしい香りや丸みを感じさせやすくなります。

ただし、小袋を追加すると包材や製造工程が増え、コストも上昇します。

粉末醤油を配合する

粉末醤油は、粉末スープの中に醤油のうま味や色、風味を加えやすい素材です。

製造しやすく、大盛りカップ麺の価格帯にも採用しやすいと考えられます。

一方で、液体醤油と比べると立ち上がる香りには限界がありそうです。

焦がし醤油系の香味油を加える

香味油に醤油を焦がしたような香りを持たせれば、塩分を大きく増やさずに醤油感を強調できます。

特に豚骨醤油では、豚脂の香りと焦がし醤油の香ばしさを組み合わせることで、よりラーメン店らしい印象を作れそうです。

複数の醤油を組み合わせる

濃口醤油だけでなく、たまり醤油や再仕込み醤油をイメージした濃厚な風味を部分的に組み合わせる方法も考えられます。

濃口醤油で香りと塩味を作り、濃厚な醤油で熟成感やコクを加える設計です。

ただし、原料コストだけでなく、幅広い消費者が食べやすい味とのバランスを取る必要があります。


2商品を比較|強みと弱みを整理

比較項目日清デカうまマルちゃん ごつ盛り
スープの方向性きれいな醤油味に豚のコク豚骨の香りを前面に出した豚骨醤油
最大の強みうま味と塩味のバランス豚骨らしい香り
香り穏やかで食べやすい豚骨の存在感が強い
うま味口の奥に広がる厚みがある香りに比べてやや弱い
細めの平打ち麺少しもっちりした細麺
食べやすさ最後まで食べ進めやすい豚骨好きに刺さりやすい
具材控えめ控えめ
一体感スープを中心にまとまっている香りと麺の方向性が統一されている
改善点醤油の香りを強化したいうま味と醤油の輪郭を加えたい

日清デカうまの優れていた点

日清デカうまの強みは、スープの完成度です。

豚のコクを感じさせながらも、豚骨臭や過度な油脂感に頼っていません。

濃い味を求める消費者だけでなく、醤油ラーメンらしい食べやすさを求める人にも受け入れられる味です。

特に、麺をすすったときに口の奥へ広がるうま味は、今回の2商品の中で最も印象的でした。


マルちゃんごつ盛りの優れていた点

ごつ盛りの強みは、フタを開けた瞬間から始まる豚骨体験です。

香りだけで「これから豚骨ラーメンを食べる」という期待を作り、商品の個性を明確に伝えています。

味だけで比較すれば日清デカうまに軍配が上がりましたが、商品の記憶に残りやすさでは、ごつ盛りも負けていません。

商品開発では、味の完成度だけでなく、商品を手に取った瞬間から食べ終わるまでの体験設計が重要です。

その意味で、ごつ盛りの香りは強力な差別化要素になっています。


両商品に不足していた価値

両商品を食べ比べて感じた共通点は、醤油の香りと具材の存在感が弱いことです。

日清デカうまは、うま味と塩味のバランスが優れていますが、醤油ラーメンとしての香ばしさがもう少し欲しい。

ごつ盛りは、豚骨の香りには強い個性がありますが、味の厚みと醤油の輪郭が足りません。

また、どちらも大盛りの麺量には満足できるものの、食べ進める中で具材による変化はあまりありませんでした。

つまり、両商品の間には次のような市場の空白があると考えます。

豚骨の香り、醤油の香ばしさ、スープのうま味を兼ね備え、最後まで飽きずに食べられる大盛りカップ麺

そこで、2商品の長所を組み合わせた新商品を考えてみます。


自分なら「香る濃厚豚骨醤油」を開発する

商品コンセプト

「フタを開ければ豚骨、すすれば醤油。」

ごつ盛りの豚骨らしい香りと、日清デカうまのきれいでコクのあるスープを組み合わせた大盛りカップ麺です。

最初は豚骨の香りで食欲を刺激し、麺をすすったときには醤油の香ばしさとうま味が広がる。

香りと味に時間差を作ることで、食べ始めから食後まで印象が変化する一杯を目指します。


想定ターゲット

主なターゲットは、次のような消費者です。

  • 10代後半から30代
  • 一杯でお腹を満たしたい人
  • 濃厚なラーメンが好きな人
  • 豚骨の香りは好きだが、重すぎるスープは避けたい人
  • 手頃な価格でもラーメン店らしい味を求める人

昼食を一品で済ませたい学生や会社員だけでなく、夜に濃いラーメンを食べたくなった人にも向く商品です。


麺の設計

麺量は90g。

形状は細めの平打ち麺とし、表面積を広げてスープを持ち上げやすくします。

日清デカうまの平たい麺が持つスープとの一体感に、ごつ盛りの少しもっちりした食べ応えを加えるイメージです。

細すぎると大盛りとしての満足感が弱くなるため、中心には一定の弾力を残します。


スープの設計

ベースは、豚骨のコクを加えた醤油スープです。

ただし、白濁した重い豚骨スープではなく、醤油の色が分かる程度の清湯寄りにします。

日清デカうまのようなきれいな醤油スープを土台に、豚骨や豚脂による厚みを追加します。

塩味を強くするのではなく、豚のうま味、醤油の発酵感、油脂のコクで濃厚さを作る設計です。


香りの設計

香りは、ごつ盛りの強みを参考にします。

フタを開けた直後には豚骨らしい香りを感じさせ、食欲を刺激します。

さらに、後入れの香味油に焦がし醤油の香りを加えます。

これにより、最初は豚骨、すすったときには香ばしい醤油という、二段階の香りを楽しめます。

今回の比較を通して、香りは単なる評価項目ではなく、商品の第一印象と記憶を左右する重要な設計要素だと感じました。

今後カップ麺を評価するときは、スープの味とは別に「調理直後の香り」と「すすったときに鼻へ抜ける香り」を評価項目として設定したいと思います。


具材の設計

具材には、次の3つを採用します。

  • 香ばしい肉そぼろ
  • 青ねぎ
  • 焦がし玉ねぎ

肉そぼろで豚のうま味を補い、青ねぎで後味を軽くします。

さらに、焦がし玉ねぎを加えることで、食べ進めたときの香ばしさと食感の変化を作ります。

大きなチャーシューを入れるとコストが上がりやすいため、限られた価格帯の中では、肉そぼろの香りと量を工夫する方が現実的です。


味の変化を作る「黒こしょう小袋」

大盛りカップ麺は麺量が多いため、後半に味が単調になりやすいという課題があります。

そこで、別添の粗びき黒こしょうを付けます。

前半は豚骨と醤油のコクを楽しみ、後半は黒こしょうを加えてキレを強くする。

味を濃くするのではなく、香りと刺激を追加することで、最後まで飽きずに食べられる設計にします。


想定する商品情報

項目企画内容
商品名香る濃厚豚骨醤油 大盛り
キャッチコピーフタを開ければ豚骨、すすれば醤油。
90g・細めの平打ち麺
スープ清湯寄りの濃厚豚骨醤油
別添焦がし醤油香味油、粗びき黒こしょう
具材肉そぼろ、青ねぎ、焦がし玉ねぎ
想定価格200円前後
ターゲットボリュームと本格感を両立したい若年層
喫食場面昼食、夜食、仕事や運動後の食事

この商品が選ばれる理由

この商品が目指すのは、単なる「量が多くて味が濃いカップ麺」ではありません。

大盛り商品の価格とボリュームを維持しながら、香りによってラーメン店らしい体験を作ることが差別化のポイントです。

フタを開けたときの豚骨香。

麺をすすったときの焦がし醤油。

後半に黒こしょうを加えたときの味の変化。

一杯の中に複数の印象を作ることで、大盛りでも最後まで飽きずに食べられる商品を目指します。


総評|味の日清デカうま、香りのごつ盛り

今回の比較では、スープのうま味と全体のバランスでは、日清デカうまが優れていました。

きれいな醤油スープに豚のコクを重ね、濃厚でありながら最後まで食べやすい。特に、麺をすすったときに口の奥へ広がるうま味は絶品でした。

一方、ごつ盛りの最大の魅力は、豚骨らしい香りです。

フタを開けた瞬間から九州系ラーメンを連想させ、食べる前から期待感を作っています。

味の完成度だけでは日清デカうまに及ばないものの、香りによって商品の個性を伝える力には大きな魅力がありました。

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