[雑記] 農作物のブランド化

食文化

加工品としてのさつまいもの販売で成功する芋金之助。

それでは、さつまいもの加工販売というのは、他の原材料に比較したら、作り手(メーカー)視点では利益が得やすいのでしょうか。AIに表を作成してもらいました。

原材料原材料価格 (円/kg) (出典)高付加価値加工品最終製品小売価格 (円/個) (出典)標準化価格 (円/100g) (原材料 vs 最終製品)推定付加価値倍率価値向上の主要因収益性ポテンシャル
さつまいも約300~500 12焼き芋スイーツ700 (生搾り芋モンブラン)30~50 vs. 約350約7~12倍品種改良、健康志向、SNS映え、専門店化
コーヒー豆1,944~7,640 (生豆) 14スペシャルティコーヒー1,050 (150g) 16194~764 vs. 700約1~4倍 (豆小売) / 10倍以上 (カフェ提供)産地・豆の希少性、焙煎技術、体験消費
カカオ豆2,700~3,780 (生豆) 17クラフトチョコレート1,500 (約50g) 19270~378 vs. 3,000約8~11倍Bean-to-Bar、職人技、ストーリー、エシカル消費
大豆140~170 (国産) 20高級味噌2,160 (750g) 2214~17 vs. 288約17~20倍長期熟成、伝統製法、健康志向 (発酵)
小麦165~256 (小麦粉) 23高級食パン950 (2斤, 約800g) 2517~26 vs. 119約5~7倍素材へのこだわり、独自の食感、ブランド力
213~260 (玄米) 26高級おにぎり350 2821~26 vs. 約233 (米150g換算)約9~11倍ブランド米、具材の高級化、手作り感、専門店化
いちご981~2,960 29高級パフェ8,800~12,000 3198~296 vs. N/A (体験価値)20倍以上 (製品+体験)見た目のインパクト、希少品種、贅沢体験
ぶどう2,116 (シャインマスカット) 33高級ジュース19,440 (720ml) 34212 vs. 2,700約13倍100%ストレート、品種ブランド、贈答品需要
バナナ約250~500 35高級バナナジュース500~650 (1杯) 3725~50 vs. 約200 (250ml換算)約4~8倍濃厚さ、健康志向、専門店の付加価値
茶葉540~1,620 (100g) 39抹茶スイーツ4,500 (テリーヌ) 41540~1,620 vs. 約1,600約1~3倍 (製品) / 5倍以上 (カフェ提供)抹茶のブランド、職人技、和モダンな世界観

この表からだと、農園体験を提供するいちご以外のさつまいも、お米、ぶどうなどは同等の付加価値倍率であることがわかります。

しかし一つ気になるのが、この付加価値倍率ですと、100g あたりの最終生産物の価格と100g あたりの原材料価格を比較しています。しかし100g あたりの最終生産物を作るのに、まるまる100gの原材料が必要でしょうか。

具体例として、焼き芋モンブランを想定します。

直径7㎝のタルト型 6個分 (1200g)を作るのに、250-500gのさつまいもを使用しますが、生クリーム、薄力粉、卵など多くの他の食材も必要となります。このレシピの場合、焼き芋タルトに対して、20-40%ほどの分量のさつまいもが必要ということになります。このような、最終生産物に占める原材料の価格を加味した上で、計算、表を再度作成するように依頼しました。

製品ポートフォリオ・データシート

製品カテゴリー主要原材料原材料コスト (SPR) (円/100g)最終製品価格 (SPFP) (円/100g)推定原材料重量比率 (RMW%)データソース
ベースライン
焼き芋さつまいも100167100%1
加工品
芋モンブランさつまいも10042928%2
いちごパフェいちご17650060%3
高級味噌大豆1415130%4
高級加工品
高級食パン小麦粉3512555%5,6
抹茶テリーヌ抹茶8,1001,6075.7%7
飲料
バナナジュースバナナ4412840%8
高級ぶどうジュースぶどう21241480%9

それぞれ再計算に使用された指標が以下のようになります。

  1. 原材料の標準化価格(SPR): 主要原材料の市場価格を、100gあたりの円貨(円/100g)に標準化する。
  2. 最終製品の標準化価格(SPFP): 最終製品の小売価格を、100gあたりの円貨(円/100g)に標準化する。
  3. 原材料重量比率(RMW%): 最終製品の総重量に占める主要原材料の推定重量比率(%)。
  4. 最終製品内における原材料の標準化価格(SPR-FP): 本分析の中核となる新指標。
  • 計算式: SPR-FP=SPFP×RMW%
  1. 推定付加価値倍率(EVAR): 最終的な評価指標。
  • 計算式: EVAR=SPRSPR-FP​

焼き芋タルトの具体例で考えた場合、「20-40%ほどの分量のさつまいもが必要」の数字が原材料重量比率(RMW%)に相当します。(算出してくれたのは28%なので、焼き芋タルトを作るのに、さつまいも使用量をだいぶ抑えたものになりますね)

そして、ポートフォリオ内の各製品について、算出された中間指標(SPR-FP)と最終指標(EVAR)を以下の表にまとめてもらいました。

製品別・付加価値算出結果一覧

製品原材料コスト (SPR) (円/100g)製品内価値 (SPR-FP) (円/100g)推定付加価値倍率 (EVAR)
焼き芋100167.01.67
芋モンブラン100120.11.20
いちごパフェ176300.01.70
高級味噌1445.33.24
高級食パン3568.81.96
抹茶テリーヌ8,10091.60.01
バナナジュース4451.21.16
高級ぶどうジュース212331.21.56

(EVAR)が高いというのは、単純に、「加工を加えることで原材料をそれだけ高くすることができた」ということになります。

特に目を引くのは高級味噌ですね。しかしこのお味噌は2-3年の熟成もの。それだけ時間をかけているためEVARも高くなりますね。

次に目を引くのが高級食パン。こちら高級食パンブームは現在は安定期にあると思われます。新規参入での話題性という点では劣る点があるかもしれませんね。

続くのは、焼き芋、いちごパフェ、ぶどうジュースでしょうか。推定原材料重量比率 (RMW%)も高い加工品が、付加価値としての(EVAR)も高くなる傾向にありますね。バナナジュースは例外のようです、、、

そう考えると、付加価値を高い割合でつけたい場合は、原材料を極力多く使用し、それをウリにできる商品が良いという結論でしょうか。この場合、最終生産品をある程度作ることのできる、原材料(農作物)の生産能力の確保が最初のハードルとなりそうですね。

参考文献

  1. サツマイモ専門店が急増、200年前から繰り返す「焼き芋ブーム」は今ピーク?, 8月 6, 2025にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/312656
  2. 【東京グルメ】メディアで話題の!トレンドグルメ&スイーツ8選, 8月 6, 2025にアクセス、 https://rurubu.jp/andmore/article/21807
  3. いちごの需給動向 – 野菜|農畜産業振興機構, 8月 6, 2025にアクセス、 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/2212_yasai1.html
  4. 最高を贈るプレミアム樽詰(2kg)【プレミアム三年熟成味噌(1kg)・一年熟成味噌(1kg)詰合】 – 石井味噌オンラインショップ, 8月 6, 2025にアクセス、 http://www.misogura.jp/SHOP/282.html
  5. 4月1日(金)より「水にこだわる高級食パン」価格改定のお知らせ – 銀座に志かわ, 8月 6, 2025にアクセス、 https://www.ginza-nishikawa.co.jp/archives/news/original_bread_price_changed
  6. 高級「生」食パン専門店の乃が美(のがみ), 8月 6, 2025にアクセス、 https://nogaminopan.com/item_category/category_bread/
  7. 〚2025年〛お取り寄せ高級抹茶スイーツ特集! | もなかのぶろぐ, 8月 6, 2025にアクセス、 https://www.monakatatanana.com/luxury-matcha-sweets-stock-order/
  8. 【厳選】東京都内の「バナナジュース」専門店7選|美容ビタミンで美肌&ダイエット効果も, 8月 6, 2025にアクセス、 https://travel.navitime.com/ja/area/jp/guide/NTJmat0769/
  9. そのままの葡萄(高級無添加 ブドウジュース), 8月 6, 2025にアクセス、 https://haremokemo.kuzefuku-arcade.jp/?page_id=13&eci_product=7

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