調味料から、ご飯のお供へと役割を変えた納豆。
現代の店頭で見かけるパック容器までの変遷をもう少し見ていきましょう。
近代納豆の幕開け
それまでは、藁に付着した菌による天然の発酵現象から納豆が生まれてきました。いわば偶然の産物となります。しかし、同時に発酵容器としての藁は明治の人々には、「不潔」とみなされるようになってきました。そこで、明治の研究者は納豆菌を人工的に育てることができるようにしたいと思うようになりました(培養を可能することを目標に据えました)。
藁苞からの脱却
北海道帝国大学の半澤洵教授は納豆菌の純粋培養に成功しました 1。1919年には、半澤教授は、菌の生息する藁を使わない製造システムを開発するため、蒸した大豆と培養した菌を経木(きょうぎ)や箱のような衛生的な容器で発酵させる、近代的な新たな製造システムを確立しました1(半澤式製法)。
この半澤式製法をいち早く商業化に取り入れたのが、仙台の実業家、三浦二郎氏でありました。三浦氏による発酵条件の工夫により、安定した大量生産が可能となったのです。そんな三浦氏は「近代納豆の父」とも称されています。
三浦氏の起こした会社は、現在3代目店主の三浦さんによって受け継がれているようだよ。三浦氏の想いを紡いだ納豆は「宮城野納豆」として今でも味わえます!
容器の変遷
このように、「衛生的でない」とされた藁に変わる最初の容器が、薄く削った木の板である経木となりました。経木はより衛生的で、穏やかな香りを納豆に与えるとされていました15。
経木イラスト
時が経ち、第二次世界大戦後、プラスチック産業の勃興とスーパーマーケットの台頭に伴い、安価で軽量な発泡ポリスチレン(PSP)が注目を集めるようになりました。
大量流通と小売陳列に最適であったPSP製こそ、私たちがよく見かける納豆の容器になります。
藁苞はどこにいってしまったの??
藁苞納豆リバイバル
それでもやっぱり、より自然な形で作られた藁苞納豆は美味しい!!
最近藁苞納豆の魅力が見直されてきてることもあり、日本全国様々な納豆生産者から藁苞納豆を購入することができますよ。
藁苞納豆の販売
そんな元来の魅力を併せ持つ藁苞納豆を購入できるメーカーは以下の通りです。
製造者 | 商品名 | 価格(税込) | 製造者所在地 | リンク |
水戸納豆製造(株) | にがり水仕込水戸納豆 | 348 円 | 茨城県水戸市 | https://www.mitonatto.com/products/detail.php?product_id=5 |
天狗納豆(株) | 極小粒 わら納豆1本 | 270円 | 茨城県水戸市 | http://www.tengunatto.com/g-wara.html |
だるま食品(株) | わら納豆1本包 | 270円 | 茨城県水戸市 | https://darumanatto.shop-pro.jp/?pid=84113733 |
大屋納豆((株)キツ商会) | 秋田の大屋納豆 | 2,500円 | 秋田県横手市 | https://kitsushokai.base.shop/ |
ひげた食品(株) | 実花®(じづか)わら納豆 | 275円 | 茨城県土浦市 | https://www.higeta-natto.co.jp/shop/home/2927/template/current/product_wara1.html |
三浦商店 | わらっ子 田舎造り納豆 | 千葉県館山市 | https://www.miura-natto.co.jp/products/warakko.html |
参考文献
1, 納豆の科学 – CORE, https://core.ac.uk/download/479100272.pdf
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