土用の丑の日とうなぎ

グルメ日誌

暑い日が続きますね。毎年この季節は、「うなぎフェア」の幟(のぼり)がスーパーのお魚コーナーを賑わせていますね。暑さにやられないためにも栄養たっぷりな「うなぎ」で元気をつけたいですね。

うなぎといえば「土用の丑の日」

土用の丑の日に鰻を食べる文化が始まったのは江戸時代、平賀源内が唱えたことに起因する話は有名ですよね。今日はそんな「土用の丑の日」と「うなぎ」にまつわるお話をします。そもそも「土用の丑の日」ってなんでしょうか。

土用の丑の日とは?

暦の上で「土用」と呼ばれる期間のうち、十二支が「丑(うし)」にあたる日のことです。

土用とは

  • 本来は季節の変わり目の約18日間を指す言葉です。
  • 年4回あり、立春・立夏・立秋・立冬の直前がそれぞれ「土用」。
  • 特に有名なのは夏の土用立秋前の約18日間)です。

丑の日とは

  • 十二支は日付にも割り当てられています(子・丑・寅…と12日ごとに一巡)。
  • 土用期間中で「丑」に当たる日が土用の丑の日になります。
  • 年によっては土用期間中に2回丑の日が来ることがあり、これを二の丑と呼びます。

まとめると、土用の丑の日は

  1. まず、立秋の日を調べる(例:8月7日頃)
  2. その約18日前から前日までが夏の土用期間
  3. この期間中、十二支が「丑」になる日を探す → それが土用の丑の日

2025年の土用の丑の日は?

2025年の土用の丑の日は以下の通りです。そうなんです、土用とは1年に4回あるんです。うなぎで有名な土用の丑の日は正確には夏土用の丑の日なのですね。

  • 冬土用(立春前)
    • 1月23日(木)
  • 春土用(立夏前)
    • 4月17日(木)
    • 4月29日(火)※二の丑
  • 夏土用(立秋前)
    • 7月22日(火)
    • 8月3日(日)※二の丑 ← うなぎで最も盛り上がる時期
  • 秋土用(立冬前)
    • 10月26日(日)

2025年の夏土用は二の丑まであるんです!つまり、うなぎ屋さんが二度にわたって賑わう年になりますね。

土用の丑の日はどのように決まるのか?

あれ、、、それでは立秋の日ってどのように決まるのでしょうか?

立秋の日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、太陽が黄経(こうけい)135度の位置に達する瞬間を基準に決まります。

  • 二十四節気:一年を太陽の動きに基づいて24等分した季節区分。立春、春分、立夏、夏至、立秋…などが含まれます。
  • 立秋の定義:太陽黄経が135度になる瞬間が「立秋」。天文学的計算により、毎年わずかに日付や時刻がずれます(1年=365.2422日なので)。

現在日本では国立天文台が計算し、翌年の暦要項として発表します。

江戸時代には、幕府管轄の幕府天文方(ばくふてんもんかた)が立秋の日付を計算していました。あの有名な伊能忠敬なども所属していたそうです。

漁獲量と価格の変化

現在、土用の丑の日にいただく「うなぎ」は養殖ものが多いですよね。しかし、江戸時代当時には天然の「うなぎ」が夏場でもよく獲れていたそうです。天然の「うなぎ」というのは、成魚は川・湖・汽水域に一年中います。夏も川底や石の隙間などで生活しており、漁で捕まえることが可能だったのです。(産卵は冬に海(マリアナ諸島付近)で行います)

そんな「うなぎ」も現在は漁獲量の減少といったニュースをよく聞きますよね。そうなんです、90年代から以下のように急激に減少しているんです。それに伴い「うなぎ」の単価も上昇しています。価格は90年代に比較して2倍に上がっていますね。

年代・指標漁獲量(天然)小売価格(100 gあたり)
1990年代数百〜千トン規模、多かった約600円前後
2000年代前半数百トンに減少500〜600円台 → 徐々に上昇開始
2012年頃数百トン以下約1,100円(最高値)
2020年代(2021年時点)数十トン(2022年には59トン)約1,200円(20年で倍以上)

追記

現在は養殖技術も向上して、これから完全養殖が実現すれば価格が少しは落ち着くのではない?という期待もありますが、以下のような理由から、「うなぎ」の単価が下がることは中々難しそうです。

未だ労働集約型の養殖技術
給餌が手作業で回数も多く、特別な餌や設備費が重いなど、実用規模にするには追加の革新が必要です

流通の99%は“養殖”だが、種苗は天然依存
日本で流通するウナギの少なくとも99%は養殖ですが、その出発点となるガラスウナギは野生採捕。資源変動・規制・違法漁の影響を受けやすい。

資源保全のプレッシャー
ニホンウナギは2014年に**IUCN絶滅危惧(EN)**指定。資源保全と産業の両立のため、人工種苗量産の必然性は一層高まっています

以前、高級魚としてのうなぎですが、たまには贅沢としていただいてこの暑さを乗り切りたいですね!

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