ベトナム料理屋さんにて、日本ホルモン料理の歴史

グルメ日誌

本日は船橋駅降りて徒歩10分のベトナム料理レストラン、「ベトナム料理SEN」を取り上げます。

こちらは以前訪問した際に、このメニューが大変おいしかったため、改めての訪問です!

メニューに一つ気になるものがありました。「ホルモンと高菜の炒め」これはベトナム料理なのでしょうか、、、

ベトナム料理SEN「ホルモンと高菜の炒め」

こちらコリコリのホルモンに、日本人にも馴染み深い高菜炒めはよく合いますね。チャーハンにしたら絶対美味しい。しかし、これだけではベトナム要素がないので、相性の良さの保証されるベトナムビールと合わせて、ぜひいただきたいものですね。

あれ、ベトナム要素、、、? そう、、、ベトナムにもホルモンを食べる文化はありますが、食べ方が日本とはまた少し違うんです。日本ではホルモン焼きやもつ鍋としていただくのが居酒屋の定番メニューですよね。

ベトナムでは「lòng(ロン)」と呼ばれる内臓料理があり、おかゆフォー、煮込み料理として親しまれています。庶民的でどこかホッとする味わいで、日本の居酒屋で食べるホルモン焼きとはまた違った魅力がありました。

ベトナム料理SENでも「ホルモンお粥」が提供されているので、ぜひ次の機会にいただきたいですね。

日本での居酒屋定番メニュー「ホルモン焼き」ですが、実はこのホルモン文化、日本だけで育まれたものではなく、韓国の「コプチャン文化」と深いつながりがあるんです。


韓国のホルモン文化「コプチャン」

韓国では昔から牛や豚の内臓を食べる習慣があって、特に有名なのが 곱창(コプチャン=小腸)
さらに部位ごとに名前がしっかり分かれていて、

  • 대창(テチャン):牛の大腸
  • 막창(マクチャン):盲腸
    などがあります。

食べ方もバラエティ豊かで、鉄板で焼く 곱창구이(コプチャン焼き)、ピリ辛スープで煮込む 곱창전골(コプチャン鍋) が定番。ソウルや大邱には「コプチャン通り」と呼ばれる専門店街まであって、韓国ではかなり愛されているグルメなんです。


日本に伝わった「ホルモン焼き」

日本では戦前から在日コリアンの方々が「コプチャン料理」を作って食べていました。当時の日本では内臓は「放るもん(捨てるもの)」(←関西弁)と考えられていて、安く手に入る食材だったんですね。

戦後になると食糧事情が厳しくなり、安価で栄養豊富な内臓料理が一気に広まりました。特に関西を中心に「ホルモン焼き」として人気が高まり、やがて全国の焼肉屋や居酒屋でも定番になっていったのです。

ちなみに「ホルモン」という名前には面白い説があって、

  • 関西弁の「放るもん(捨てるもの)」が由来
  • ドイツ語の「Hormon(ホルモン=生理活性物質)」が由来
    この2つがよく知られています。

韓国と日本のホルモン文化を比べてみると…

韓国日本
呼び名コプチャン(곱창)、テチャン(대창)、マクチャン(막창)など部位ごとに呼称まとめて「ホルモン」
主な食べ方コプチャン焼き、コプチャン鍋、辛いスープホルモン焼き(網焼き・鉄板焼き)、もつ鍋
文化的背景昔から庶民的なグルメとして定着戦後の食糧難から全国に広まる

まとめ

韓国の「コプチャン文化」が日本に伝わり、戦後の食糧事情を背景に「ホルモン焼き」として独自に発展。それが今の日本のホルモン文化につながっています。もともとは庶民的で安価な料理でしたが、今では立派なグルメとして地域ごとのバリエーションも楽しめるようになりました。

韓国グルメは今ではもう、旅行の醍醐味の一つですよね。東京では韓国グルメの勃興を目の当たりにしますが、そんな韓国グルメが戦前から日本の食文化に影響を与えてきたのだと知れる、一つの一例ですね。とこんなことをベトナム料理屋さんで考えた一日でした。

追記

今回は土曜ランチでの訪問でした。一つ残念だったのが、前回いただいたメニューがなかったんです。どうやら、あのメニューはディナーメニューとなっており、土日ランチには提供していないとのことです。そしてランチメニューは平日のみとのこと。そのため、ベトナム料理SENを訪れる際には平日ランチ利用か、ディナー利用が良さそうです。

お店情報

—— ベトナム料理SEN ———-
〇営業時間  *営業時間はフレキシブルなので、事前にお店に確認するのをおすすめします
・毎日 : 12:00-0:00

〇住所
〒273-0005 千葉県船橋市本町2丁目26−25 相川ビル 1F

コメント

タイトルとURLをコピーしました